山田詠美「アイロン」

IMG_1346

山田詠美の小説「マグネット」のなかに所収されている短編「アイロン」に出てきた言葉。物事を楽観的に考えることは難しく、世の中で知的ともてはやされているものは後ろ向きの場合が多い、というような意図で書かれていた気がする。

全てを肯定し、受け入れるというのは、つまりバカなのか?

バカだよ、とも言い切れず、思考停止している状態というのも含まれると思う。流されること、いちいち深く考えないこと、というのは慣れるととてもラクで心地いい。私は人と意見を戦わせるのが苦痛で、「あー、なんか面倒くさいことになりそう」という予感がしたら、よく自分でこの思考停止スイッチを入れる。入れてきた。でもこれを長く続けていると、いざというときに自分の頭でものを考えられられなくなるんだな。

不満を言ったり、異議を唱えたりするのは、端から見ていてあまり美しい姿ではないからーーなんて言い訳も用意してあるけれど、まぁ怠惰なだけだ。他人や周りに委ねてばかりいたら、自分で何も答えが出せない人になってしまうということを、ここ数年実感している。

考える訓練をするため、脳にもうちょっとシワを加えるために、「本当にこれでいいのかな?」って、これからはいろんなことに対して少しだけ疑い深くなろうと思う。

広告