アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ「バードマン」

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アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督「Birdman or (The Unexpected Virtue of Ignorance)」/「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」に出てきたセリフ。「なんで私には自尊心がないの?」「それはあなたが女優だからよ」って会話、思わず笑っちゃった。

下積みの長い、やや歳も重ねたブロンドヘアの女優レスリーが、初めての大役をつかんだ舞台の楽屋。彼女は、傲慢で自信家の共演俳優と関係を持っていて、彼に見下されて落ち込むところを、女優仲間のローラが慰める。レスリー役を演じるのはナオミ・ワッツ、ローラ役はアンドレア・ライズボロー。

このナオミ・ワッツを見ていて、私はデヴィッド・リンチの「マルホランド・ドライブ」(2001)を思い出した。あの映画でもワッツは売れない女優役で、当時はワッツ本人もまだ無名の女優だったけれど、レズビアンのラブシーンに挑戦して一気にスターになった。そんな彼女が、またまた情緒不安定なB級女優の役で上のセリフをこぼすなんて、気の利いたジョークだなと思ったのだ。

「バードマン」は、かつてヒーロー映画「バードマン」で一世を風靡したが、今や仕事も私生活も絶不調の元人気俳優が、ブロードウェイで再起を図ろうと奮闘するブラックコメディ。「バットマン」に主演して以後、しばらくキャリアに恵まれなかったマイケル・キートンが、主人公を演じている。キートンもワッツも、これ以上ないキャスティング! 今年のアカデミー賞では作品賞・監督賞・脚本賞・撮影賞の4冠を達成したわけだけれど、個人的にはぜひキートンに主演男優賞をとって欲しかったなと思う。

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